地域に根ざした防災活動に取り組む、市民活動団体「みらさく防災ネットワーク」が、野沢公民館で親子向けの防災講座を開催しました。15名の親子連れが集まり、体験型ワークショップや講話を通じて、楽しく学ぶ時間となりました。

■ 参加児童:「非常用トイレの体験が楽しかった!」
会場では、非常用トイレを体験するコーナーが設けられ、ペットボトルの水で子どもたちが疑似体験しました。小学4年生の児童は、「トイレの体験が楽しかったです!家でも、もしもの時に備えてできるように色々考えたり試したりしてみたいです」と話し、講座を通じて家庭での防災意識も高まった様子でした。


■「1日に行くトイレ平均7回×家族人数×3日」
特に強調されていたのが、非常用トイレの準備です。家庭で、食料や水の備蓄が約58%に対し、非常用トイレの備蓄をしている家庭はわずか20%程度という全国調査データが紹介されました。「人は1日に平均5〜7回トイレに行くため、4人家族であれば1日あたり20回分が必要となります。下水道管が破損や逆流する恐れから、トイレ開設までに3日かかることもある」と説明し、各家庭で整えることが必要と伝えられました。
■ 「助けられる側にならない備え」と「顔が見える関係づくり」
「自分の身は自分で守る」という自助の原則や、具体的な備蓄の重要性について解説が行われました。避難所や病院が地域住民の全員を受け入れることには限界があります。「1人でも多く『避難所に行かずに済む・救助を待たずに済む』状態をつくることが、結果的に地域全体の防災力を高めることにつながります」と、日頃からの備えの大切さが呼びかけられました。
■「困った」と言える関係性をつくる「デシリスト」
さらに講座の後半では「顔が見える関係づくり」の重要性が語られ、一人ひとりが自分の「できること」「してほしいこと」を記入する「デシリスト」を作成し、互いに見せ合いました。
「いざ災害が起きた時、助け合えるのは隣近所など歩いていける距離にいる人たちです。自分が困っていることを『困った』『手伝ってほしい』と言えて、それを周囲が知っている状態をつくることが、地域の防災力向上につながります」とまとめられました。

■ 小学校5年生で防災士資格取得!
今回、講師メンバーとして参加された井出さんは、中学1年生。令和元年の台風災害時に避難先で過ごした体験があり、幼少期から自宅にあった防災の本を読む中で「こういう活動をやってみたい」と興味を持ち始めたそうです。その後、本格的に勉強を重ねて小学校5年生の時に「防災士」の資格を取得されました。
― 今日、初めて講師側として参加した感想、今後の目標は?
「意外に緊張せず、気楽に楽しむことができました!どんどん子どもの防災意識を高めていきたいなと思っています」」と、デビュー戦とは思えない頼もしい笑顔で見せてくれました。ぜひ、学校や地域の児童会などでも活躍の場を広げてほしいですね。
■ 温暖化と日常の課題に向き合う — 代表・上田さんの想い
講座では、地球温暖化や地球環境問題についても触れられました。近年の猛暑や豪雨災害の激甚化など、私たちが直面している環境の変化と防災は深く切り離せないテーマです。代表の上田さんは、「今回は『防災』という切り口で講座をさせていただきましたが、地域の課題や環境の問題はすべて日常的に繋がっています」と語ります。災害時だけでなく、日頃から地球環境や地域の暮らしに目を向け、一人ひとりが意識を変えていくことの大切さを訴えました。
「顔が見える関係づくり」を軸とする「みらさく防災ネットワーク」では、学校や地区での出前講座も開催されています。これからも広がっていくことを期待しています。
















