「届く!情報発信講座」(主催・佐久市市民活動サポートセンター(さくさぽ))が10月15日、佐久市市民創錬センターで開かれました。写真を上手に撮りたい、チラシを簡単に作りたいという要望にこたえ、著名な写真家の助手となった経験があり、佐久穂町に移住し地域おこし協力隊員として活動の後、地域に寄り添った撮影・発信業を請け負っている山上雅子さんと、佐久市に移住し、地方の空き家問題や移住者支援に取り組み、チラシやSNSを活用している桑原あやこさんが、撮影・作成方法の解説・実践を行いました。
午前の講座で山上さんは、「活動をいきいきと自然に魅せる!写真撮影」と題して、9人の参加者に写真撮影の秘訣を伝えました。まず写真の重要性・役割について、(1)SNSの時代、写真がいいと注目を集めやすい(2)すばらしい写真は「いい記録」「いい記憶」につながる(3)写真は感情を伝え、コミュニケーション能力を高める、と指摘しました。この3点をふまえ、目的を意識し能動的に撮る姿勢が他人と違うものを生み出すと話しました。ズームの効かないスマホのカメラでは撮影対象に「1歩前、2歩前」に迫ることも必要と強調しました。
写真の構図で情報(撮りたいもの、伝えたいこと)を整理してより効果的に視覚に訴えることが大切であるが、行事(イベント)で最低限、「寄り」(近づくこと)「引き」(離れること)でそれぞれ「縦」「横」を撮っておけば心配ないと述べました。上達するには、好き・嫌い、得意・苦手に関係なく、いろいろ撮って訓練する必要性を強調したうえで、「写真は「撮りにいく」という姿勢がとても大事」と訴えました。
最後に、山上さんは、屋外でカメラやスマホを使って人物など撮っていた参加者たちにアドバイスをしていました。
午後の講座で桑原さんは、「パソコン・スマホを使って簡単チラシづくり」をテーマに、16人の参加者に実践形式で具体的な作成方法を説明しました。桑原さんは、「だれでも簡単にチラシやプレゼンテーション資料、SNSなどが創れるツール」として、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツール「Canva(キャンバ)」を紹介しました。キャンバはオーストラリアで2013年に誕生し、今では世界で広く使われているそうです。
キャンバを使って「得すること」は、(1)簡単に見栄えのよい資料やプレゼンができるので“おしゃれな人”と思われる(2)デザインの知識がなくても、テンプレートから学び、使いながら上手くなる(3)多様なテンプレート・素材があり多機能だから、創作の幅が広がり、デザインする機会が増える、の3つあると指摘しました。またキャンバを「上手に使うコツ」は、(1)テンプレートから作りたいモノのイメージから探す(2)使いたい色を厳選する―色弱者に配慮し、色は背景を入れて4色までの同系色を使う(3)デザインをたくさん見る、の3つだと話しました。
この後、桑原さんは、オンライン上でチラシをつくる具体的な方法を指導し、参加者らの質問にこたえたり、個別指導をしたりしました。
午前と午後の講座のはじめに、さくさぽの小島美里・コーディネーターが、情報発信は、「だれに、何を、なぜ伝えるのか」を考えたうえで、「興味」と「関心」を引き立てるようにすることで、市民活動をより深く、広いものへと導く、と伝えました。