地域の課題解決に向けて市民と行政、企業、教育機関などが一緒に取組む「協働のまちづくり」について考える「やってみたいを,つなげよう!~出会う,つながる交流会~」(佐久市市民活動サポートセンター=さくさぽ)が2月5日,佐久市市民総錬センターでひらかれました。市民や行政関係者など参加者37人が,「佐久平地域まるごとキャンパス(まるキャン)」に加わった樫山工業の事例を通じて、外部と一緒に取組むきっかけや考え方の変化についての話に耳を傾けました。
同工業の齊藤和生さんと市川明歩さんが,まるキャンで,学生たちとイルミネーションを作製したことを紹介しました。
同工業のイルミネーションは2005年から冬の緑地活用を目的としてはじまり,5本のツリーの設置からいまでは25万球のイルミネーションになったといいます。まるキャン参加へのきっかけは,従業員の作業者不足と新しいことへの挑戦(学生との交流など),現実と理想が入り混じっていました。ただ,まるキャン受け入れ前の心境は,「作業が予定通りに進むかな、学生は楽しんでくれるかな」といった不安があったことは事実だったそうです。
具体的な活動内容は,2022年8月27日から11月5日までの毎週土曜日(全10回)が主でした。学生たちが13人参加し,連絡にはLINEのノートやアルバム、イベント機能を活用しましたが,個別にフォローもしていましたといいます。
まるキャン受け入れ後の心境はどうだったのでしょうか。2人はこういいました。「毎回全力投球のため、活動日の終了後は毎回グッタリしていた」「学生たちは情熱をもって、最後まで決して手を抜くことはなかった」「活動日ごとの業務報告書をみると泣けてくるほど」。不安が感動に変わっていたようです。
企業としてはどう評価されたのかも気になります。思わぬ副産物だったそうですが,驚くほどのメディア露出効果がありました。たとえば,「FMさくだいら」の生出演、「信濃毎日新聞」の記事掲載などです。また,社内でも高い評価を受け,社内表彰で銅賞を獲得しました。前年度と比べると倍以上のメディア露出によって会社の知名度が向上し,苦労が報われた気がしたと話しています。齊藤さんは「難しいけど楽しい業務」,市川さんは「「相乗効果」の恩恵をうけられる企画」とまるキャンを評価していました。
続いて、佐久市広報広聴課の大島ゆみ子さんより、佐久で協働に取組む目的と、「佐久市協働のまちづくり計画」についての紹介がありました。またさくさぽの粟津知佳子センター長から、佐久地域の協働の事例紹介をしました。
質疑応答のなかで,参加者のケガへの対応についての質問がありました。齊藤さんらは,まるキャンプログラムに加わっている学生はみんなボランティア保険に入っていた点を指摘しうえで,高所作業は避けてボランティア保険内で活動できるものをしてもらっていましたと回答しました。
この後,交流会参加者それぞれが「今やっていること」「これからやってみたいこと」を付箋に書いて貼り出し、それをもとに7つのグループ(「ボランティア」「まちのPR/活性化」「居場所」「食・酒」「アニメ」「農」「その他」)にわかれ,意見交換をおこなっていました。たとえば,「まちのPR/活性化」のグループでは,「移住者が新しい風を吹かせている」「まるキャンプログラム団体同士のつながりがあるといい」などの意見がありました。また,「アニメ」のグループは,「高校生がアニメの話をしているときはキラキラしている」「ゆるいコスプレ、かっこいいコスプレ、プロでなくても,同好者による手でグッズ販売などもフリマで売ったり、声優さんよんだり、コラボカフェしたりしてもいいね」という印象・アイデアが出ました。
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