2024年4月13日(土)佐久市コスモホールにて「未来のとびらはあそびの魔法でひらかれる!〜あそびから学ぶ大人のあり方〜」が開催されました。
当イベントは公益社団法人 佐久青年会議所(以下JCI)が4月公開例会として主催。当日は、JCI関係者、来場者、学生ボランティアスタッフを合わせて約200名が会場を賑わせていました。親子での来場者がほとんどで、子どもたちの笑い声やおしゃべりする声がホールに響きあいます。
プログラムは「講演会」と来場した親子に向けての「運動あそび」。
講演会の講師は、国立大学法人 山梨大学 学長の中村和彦氏。長年に渡り、子どものあそびの重要性に関する調査・研究を行なう、発育発達学のプロフェッショナルです。またNHK教育テレビ「おかあさんといっしょ」番組内の体操「ブンバ・ボーン」や、2020東京五輪のダンス「パプリカ」などを監修されたそうです!
運動あそびの講師は、株式会社ルネサンス 幼少年体育指導士 篠田 裕子氏。子どもが遊びの場でいきいきと遊べるような環境をつくる「プレイリーダー」としてご活躍されています。
イベントはまず「運動あそび」からスタート!プレイリーダーの篠田先生の声がけに合わせて、身体全体をうごかすじゃんけん対決。親子でアイデアを練って、さまざまなポーズをつくることもチャレンジしましたよ。
子どもはもちろん、お父さん・お母さんの表情もいきいき。子どもと向き合って、汗ばむくらい運動あそびをすることって、成長に合わせて減ってきていたかも。そう気付かされた瞬間です。
運動あそびで場がほぐれたあと、大人は会議室で開催される講演会へと移動しました。このイベントのすてきなところは、講演会中子どもたちはホールで、運動あそびをして待っていられること!子どもたちも楽しく、お父さん・お母さんも安心のイベント構成です。
中村氏による講演では、子どもたちの健やかな発達に欠かせない「あそび」の重要性について語られました。現代の子どもが抱える、体力や知力、社会性などの課題について触れながら、あそびに寄って学び得る刺激が発育に対して与える影響についてお話いただきました。
子どもの遊びの3つの”間”=時間、空間、仲間の変化についてのお話では、私たち大人が子どもだった頃、もしくはそれより前の「あそび」と現代の子どもの「あそび」の変化について考えされられました。
例えばどろんこ遊びひとつとっても、私たち親としては「服が汚れてしまう」などの心配を優先に遊びを阻んでしまうシーンがあるかもしれません。
ですが中村氏は、子どもはどろんこ遊びをすることで、砂が水で固まることなどを自然に学ぶのだとお話されました。確かに、子どもたちがあそびの中で得る感覚、触覚、学びを、私ち大人が奪ってしまっていたシーンがあるかもしれません。
会場内では「うんうん」「そうだよね…」と共感や納得の声が上がっていました。
また「プレイリード」の重要性についても触れられていました。
あそび教える・指導するのではなく、子どものあそびを先導し届ける存在が「プレイリーダー」。保護者は子どものプレイリーダーとして「おもしろく・のめりこめる遊び」や「魂の震えと同調を感じる体験」などを与えることが望ましいのだとか。
保護者として「よりよく関わる」姿勢について、深く考えさせられる時間でした。
来場者からはこんな声が上がっていました。
「確かに、危ないかもって思うと、遊びだとしてもって止めちゃってた。プレイリードの視点から接し方を変えてみようかな。」
「子どもと離れての講義だったけれど、子どもは夢中で遊んでいてくれた。こんなに離れても平気なんだ。びっくり!」
子どもたちが運動あそびをするホールでも講義の様子が放映されましたが、ホールと会議室を行ったり来たりできる会場設定や、見守りの学生ボランティアの存在に子どもたちも安心していたようです。
あそびの重要性を改めて感じることにより、こどもと保護者の心がより深くつながる1日になりました!