9月1日の防災の日にちなんで9月は佐久市内でも防災訓練を実施するところが多くあります。その中で負傷者(含む高齢者)への対処方法(移動のし方や担架づくり)を取り上げた前山南区と災害協定(一時避難場所)を結んだ上中込区と三葉産業が更につながりを深めようと協働で行った防災訓練を取材しました。
【前山南区】
令和6年9月8日に前山南区公会場にて区民20人ほどが参加して消防署の方の指導のもと人命救助を中心に防災訓練を実施しました。
特に負傷者をどうやって移動すれば良いか、また、緊急の担架のつくり方について実演を交えながら行いました。
消防署員に両腕で抱えられながら運ばれる負傷者役の小山秀敏区長
毛布とポールで応急担架のつくりかたを消防署員に指導を受けました。毛布を1/3ぐらいずつに折り返してつくるのですが、下図の「十分に余裕をとる」ところがポイントでこれが上手くできると十分に人を運ぶことができるようです。また、Tシャツを2枚使っても応急担架ができるという話もでました。
毛布とポールを使った担架で負傷者を運ぶ
Tシャツの袖を通して担架がつくれます。
さらにAEDを使った人命救助についても実施しました。
参加された区民の方々は実に熱心で消防署の方に積極的に以下の様な質問をされていました。
・子ども場合の心臓マッサージはどうしたら良いか?
・雨が降って濡れているときはどうしたら良いか?
・反応が無かったら心臓マッサージは救急車が来る前に止めて良いか?
・AEDはどこから手配すれば良いか?
また消防署の方からは救急車が不足しているため、救急車を呼ぶべきか確認する問合せ先(#7119)があるため、迷うときはこちらへ電話してくださいとのこと。看護師や医者につながり救急車を呼ぶべきか判断してくれる。
最後に区長さんからAEDの保管場所について、誰でも取り出せるようにしてあるというお話をされていました。
【三葉産業/上中込区】
上中込区(小林区長)と同区内の三葉産業(担当:比企専務)は9月1日(土)、合同で防災訓練を実施しました。
上中込区と三葉産業株式会社長野事業所は、災害時に上中込区の住民が一時避難場所や災害対策本部として事業所の敷地と建物を利用できるよう、2023年10月に災害協定を結びました。
本年5月には上中込区役員の方々が工場見学を、5月には上中込区役員、三葉産業役員、佐久青年会議所の方々が一同に介し、救命講習会を実施しました。
今回は、特に上中込区の防災訓練の時期となり、区からは役員だけでなく組長ら約30人が参加し、それぞれの組の安否確認をした上、可能な限り歩いて同社まで避難しました。一時避難場所として使える場所やAEDの位置を確認し、消防士から消火器の取り扱い訓練も受けました。更に比企専務の計らいで従業員とともに保険会社のヘルスチェックやプルーン狩りを実施し、両者のつながりをますます深めることができました。
上中込区の小林区長は「避難する場所を区民が知っておくことが大切。避難場所の企業さんとの顔が見える関係を構築しておくことによっていざというときに役に立つ」と話されていました。
消防士の指示を受け消化訓練を実施する上中込区民と三葉産業従業員
思わぬタイミングでヘルスチェックを受ける上中込区民
プルーン狩りを楽しむ上中込区民