6月7日土曜日、佐久ライオンズクラブは、結成60周年を記念し、佐久平交流センターで「笑顔あふれる世界へ一歩ずつ」と題した講演を開催、約300名の来場者が国際情勢と世界平和をテーマにした二部構成のプログラムを鑑賞しました。
佐久ライオンズクラブの国際奉仕活動:フィリピンでの歯科医療支援
はじめに、佐久ライオンズクラブがまとめた活動紹介があり、フィリピンで行っている歯科医療奉仕活動の様子が紹介されました。この活動は、虫歯の治療が困難な現地の人々に対し、継続的な支援を提供することを目的としています。
フィリピンの一部地域では、虫歯の治療方法が抜歯に限られ、その費用も高額であるため、多くの家庭が適切な歯科医療を受けられないという深刻な問題に直面しています。佐久ライオンズクラブは、こうした状況にある人々を対象に、歯科医師と学生によるレオクラブが連携し支援をしています。



活動映像では、現地の医療現場での診察や治療の様子、そして支援を受ける人々の笑顔に溢れており、国境を越えた奉仕の精神が強く伝わってきます。この継続的な支援は、単に治療を行うだけでなく、現地の健康状態の改善と生活の質の向上に大きく貢献しています。
第1部:文化と歴史が織りなすミニエストニアライブ
講演の幕開けは、「コイトラ〜夜明け前〜」よりミニエストニアライブでした。


佐久市と縁の深い「エストニア・サク市」を題材にしたこのミュージカルは、異なる文化や歴史に触れる貴重な機会を提供。クラリネットの美しい音色とナレーションから始まり、最後はエストニア国家の披露で会場は拍手喝采に包まれました。


佐久市の中学校ではエストニアへの海外派遣事業が行われていることもあり、ミュージカルを通じて子どもたちのエストニアへの興味がさらに深まったようです。「佐久こころのミュージカル製作委員会」が手掛けた振付指導、民族衣装、そしてプロフェッショナルな音響が一体となり、華やかでメッセージ性の強いステージが創り上げられました。来場した親子からは、「エストニアと佐久との繋がりを学ぶことができました。見ていて一緒に心が弾むようなステキなステージをありがとうございます」といった感想が寄せられました。
第2部:紛争現場からのメッセージ「地球のステージ」コンサート公演
続く第2部では、認定NPO法人「地球のステージ」による、映像とライブのオリジナル音楽で世界の紛争現場での心のケアの様子を伝えるコンサート公演が行われました。「地球のステージ」は、ガザ地区、パレスチナ、東ティモールなどで国際協力を展開し、心的外傷を受けた子どもたちの治療に尽力しています。代表の桑山紀彦さんは、紛争の中で生きる子どもたちへの「心のケア」を通して、平和な日本での生活との違いを認識し、「自分はどう生きるか」を考えることの重要性を訴えました。来場者にとって、世界を知り、新たな視点を得られる特別な時間となりました。


観覧した親子からは、深く心に響く感想が寄せられました。「地球のステージでは考えさせられることがたくさんありました。帰りの車の中でこどもが『お母さんが日本人でこの国に私を産んでくれて本当に良かった」と言って大粒の涙を流していました。世界で現実に起きている戦争という恐ろしい物について知り、また自分がこの平和な日本に産まれてきてどれだけ恵まれているかということを幼いながらに感じ学んでくれたのだと思います。夜はいつまでも眠れず親子でたくさん話しをしながら私の手を握りしめようやく眠れました。親子ともども自分に何ができるのかを考えていきたいと思います。貴重な機会をつくっていただき、本当にありがとうございました!!」



来場者にとって世界平和について考え、自分に何ができるかを問い直す一日となったようです。朝から準備された佐久ライオンズクラブの皆さん、大成功に終わり片付け中に安堵された様子でした。