9月16日(月・祝)、「出動!生きもの探検隊 牧場にくらす生きもの「サイン」大調査」が催されました。このイベントはSAVE JAPANプロジェクトの一環として、長野県NPOセンター/生物多様性研究所あーすわーむが開催する今年2回目のプログラムです。
「神津牧場の森林にはどんな動物が生息しているのか?」
森林を散策しながら調査の仕方や実際に動物の痕跡(サイン)を探しながら教えていただきました。
まずはネズミの足跡をとるトラップへ向かいました。森林にはアカネズミやカヤネズミという非常に小さいネズミが生息しており、100円ショップのケースやスタンプ台などで足跡をとる簡易的なトラップをつくり、ネズミの生息場所を探すそうです。
次はヒメネズミの巣に向かいました。ヒメネズミの巣は浅く長い形をしていて、巣のどこにいるのかわかりづらいそうです。しかし、捕食者であるキツネは静かに耳を澄ませ、音を頼りにしたり、入り口で待ち構えたりしてヒメネズミを捕獲するのだと教えていただきました。
また、道中では参加者の方々が不自然に先がなくなっている植物や皮がめくれている木を見つけました。神津牧場には野生の鹿が無数に生息しているそうで、夜になると植物を食べにきたり、樹皮はぎをしにきたりするそうです。ディアライン(鹿が背丈の届く範囲の植物を食べて、一定の高さの線ができること)ができていました。
次に向かったのはヤマネの巣。ヤマネは「森の忍者」や「森の妖精」と呼ばれているそうです。確かにすばしっこくてかわいい動物ですね。こちらの巣は麻布大学の学生の方々がフィールドワークのために設置したものです。岩村田高校の生物班のみなさんに手伝っていただきながら、設置された巣箱を見て回りました。残念ながらヤマネの姿は見られませんでしたが、苔や葉など、ヤマネがいた跡を見ることができました。
最後に向かったのはアナグマの巣。こちらの巣も生態調査のために設置された巣でしたが、今回はアナグマを実際に見ることはできませんでした。しかし、アナグマの皮(なんと夏仕様と冬仕様の二種類!)を見たり触ったりしながらアナグマの生態を学ぶことができました。
プログラムの最後に、NPO法人生物多様性研究所あーすわーむの福江さんよりお話がありました。あーすわーむは延べ7回ほど試行錯誤しながら自然環境に関するプログラムを開催してきました。活動を通してプログラム参加者のみなさん、リピーターのみなさん、神津牧場のスタッフ、麻布大学の研究者、アーボリスト(樹木の管理やメンテナンスを行う専門職)など、多様な方々と関わりがあったそうです。私自身も2回目の取材でしたが、新しく学ぶことがたくさんあり、牧場に生息する動物の生態を学んだり自然環境について考えたりする機会は大変貴重で、大切な機会だと思わされました。