さくさぽ

【取材レポート】【主催:おもがえっコ】子どもや大人が集う場所 活動報告展示会&感謝祭

御代田町面替地区で、子どもや大人が集う場所づくりをしている「おもがえっコ」の活動報告会に参加しました。

会場のクライガルテン大星の杜

子どもも大人もまざっておしゃべりしながらの活動報告会

会場は信州みよたクラインガルテン大星の杜・面替。壁面には活動の様子が伝わる写真とともに、家族ごとのストーリーが展示されていました。

利用し始めたきっかけや、子どもにどんな影響や変化があったか、一人ひとりの視点から率直な言葉で綴られています。

学校とおもがえっコと、どちらの場所で過ごすかを自分で選びながら利用している子どもの姿や、それを見守る親の姿が伝わっています。

中でも印象に残ったのは、あるご家族が「他の場との違い」として書かれていた言葉です。

・「大人が子供を楽しませる」「大人が子どもに教える」ような雰囲気がない。

・スタッフの方が、「不登校」や「発達障害」「特性」のことをよく知っていらっしゃるのに、それをとてもやわらかく捉えていて、評価する様子がない。

活動報告会でも、来場したお客さんにアイスコーヒーをすすめるのは、おもがえっコに通っている子どものひとり。子どもも親もスタッフも、分け隔てなく対等な立場でまざりながら自然とコミュニケーションが生まれる雰囲気がとても印象的でした。

壁に展示された家族ごとのストーリー

共同代表の中村 里子さん(右)と上山 光子さん(左)。

おふたりの出会いは、じゃがいも畑。子どもが不登校を経験し「子どもの居場所をつくりたい」と思っていた中村さんと、「自然の中でこどもたちと過ごしたい」という上山さんとが意気投合し、2022年から活動をスタートしました。

はじめは親子の居場所づくりや自然体験活動が主でしたが、学校が苦手な子どもたちの要望が増え、現在のフリースクールへと活動が変化していったそうです。

2024年7月には長野県「信州型フリースクール」に認証されました。現在、御代田町や佐久市、小諸市、軽井沢町など周辺の市町村から19名の子ども達が利用しています。

フリースクール「大星クラス」の理念と方針

そこに集う人たちの声と力で広がっていく活動ですが、中心にあるのがこちらの活動理念。

「いつでもおいで らしく くらす あそぶ」

「その人(子)がその人(子)らしく、地域や身近な人たちと面替の恵まれた自然の中で四季を感じながら、暮らしを楽しむ」

理念と方針がスタッフや利用する家族に共有されているからこそ、色々な人が集ってもぶれることなく活動が広がっている印象を受けました。

活動開始から2年で、協働先も広がっています

「岩下」と呼ばれる「おもがえっコ」の活動場所を提供してくださっている茂木重幸さんの言葉も紹介されていました。

自分が子どもの頃、岩下は崖まで続く段々田んぼ、畑であったっし、尾崎の山はしっかり手入れされた山で、山遊びや山菜、キノコ採りで賑やかな格好の遊び場でありました。
いつしか山はジャングルに、岩下はススキ、カヤ、蔓草の繁茂する原野に変わり、人気の無い荒地となってしまいました。
いつの日か、自分達の子どもの頃の様に、賑やかな自然とふれあう場にしたいと、20年ぐらい前から山に道を開け、蔓や不要な木を伐り、浅間山の見渡せる広場を作り始めました。(中略)
その甲斐あって、今は”おもがえっコ”の皆さんを中心に多くの子ども達の歓声の響く場となりました。
手入れをしている時には今日を予想もできませんでしたが、全くありがたく嬉しいことです

活動場所を提供してくださっている茂木さん

共同代表のおふたりは、「焦るな。早く成果が出る活動は長続きしない。長く時間をかけて育てる活動は、長く続く」という茂木さんからのアドバイスを大事にされているそうです。

運営面の課題は、安定した財源、人件費の確保など。活動を支えるマンスリーサポーターやボランティアも募集しています。

詳しくはおもがえっコのホームページをご覧ください。日々の活動の様子はInstagramからもご覧いただけます。


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