7月15日(土)、野沢会館に於いて事例紹介と講座の2部構成で開催しました。
第1部 事例紹介
NPO法人多津衛民芸館 館長
吉川 徹さん
吉川さんは1962年に望月町教育委員会に就職、その後社会教育主事として地域で活動。1999年より望月町長に。退任された後も望月町の住民とともに地域活動で望月を盛り立ててきました。今回はNPO設立のきっかけから役割分担、継続のコツ、さらに担い手の交代までお話をしていただきました。40年以上の活動の実績と内容の濃いお話は説得力があり、参加者は熱心に聞いていました。
①団体設立のきっかけは?
「未来工房もちづき」は、佐久市との町村合併の話があった2004年に望月の文化や伝統を守り続け後世に引き継ぎたいと設立。
「多津衛民芸館」は、地域の先人「小林多津衛」を顕彰し、その意思を現代に生かそうと900人余のカンパで多津衛民芸館を設立。最初は有限会社だったが2019年NPO法人にした。
②役割分担は?
テーマごとに担当者がいる。たとえば地元に関係する文化芸術歴史の研究と普及、地域医療、環境など。ただ、長の独断にならないようにする。責任は持つが一人に集中させない。
③継続のコツは?
常に新しい物を見失わない。それは地域の課題は何なのか、自分たちの生活とどうつながっているのかメンバーで話し合い議論をする。学習会やテーマによっては見学も行う。そして何をどうやるのか企画を工夫する。楽しく活動する。
④資金は?
「未来工房もちづき」は会員会費、寄付、事業収入。「多津衛民芸館」は 民芸品販売、工芸展やコンサートなどの入場料。機関誌発行など。
⑤担い手の育成は?
今までは若い世代にどう引き継ぐか考えていたが、それは少し違うのではないかと思うようになった。世代が違うと青春を生きた時代背景が違う。シニアと若い世代が「ともに作る」ことが大切。多津衛民芸館の企画も一緒に議論しながら動いていたら若い人たちが企画を持ち込むようになった。これからは若い世代が主体となりシニアがそれを「手伝う」。育てるのではなく共に生きることが大切。
第2部 講座「市民活動・NPOとは?」
佐久市市民活動サポートセンター
センター長 粟津 知佳子
後半は、さくさぽセンター長の粟津より、「市民活動とは? NPOとは? ~活動を始める時に知っておきたいこと~」のタイトルで講座を行いました。
市民活動とは、誰かの「やりたい」とみんなの「共感」と「参加」がベースの活動であること。
市民活動をするために必ず法人化が必要なわけではなく、自分たちの活動に「法人化」が必要かどうか? 自分たちが将来的にどんな活動をしていきたいか? それを実現するには、どの法人格が適切か? を考えることが大事であるとお伝えしました。
参加者された方々からは、「コミュニケーションの大切さが良く分かった」「それぞれ役割をもつこと、楽しく活動することが大切だと再認識した」「NPO法人というものについての理解が深まりました」などの感想をいただきました。
どんな活動も、誰かの「やりたい」気持ちと、一歩踏み出すことから始まります!
さくさぽでは市民活動やNPOに関する皆さんからのご相談もお受けしています。専門性のあるスタッフが相談をお伺いします。ぜひお気軽にお問合せください。(事前のご予約をお願いします)
講座の様子は動画でもご覧いただけます。