4月23日(日)午後、エコールみよたに於いて、あいサポーターinみよた主催による誰もが暮らしやすい地域共生社会を学ぶイベントが開催されました。第1部はあいサポート研修、第2部は障がい当事者の川崎昭仁さんの講演会と2部構成で80名が参加しました。
◇第1部のあいサポーター研修の講師、長野県健康福祉部障がい支援課の信州あいサポート運動メッセンジャーの水澤幸子さんは、障がいについてわからないと、漠然と自分とは違う、手助けは怖いとの思いが起きる。見た目ではわからない障がいもあるので、障がいを学ぶことで社会的障壁の壁が薄くなり対応ができると思う。できる範囲でちょっとした声掛けや手助けを無理せず行ってほしい。だれでもできることから、まずは気持ちだけでも良い、という言葉にあいサポーターを増やしたいとの思いが強く伝わる講演でした。
「あいサポートバッジ」困ったときに気軽に声を掛けてくださいという目印になります。
(参考)長野県ホームページ
◇信州あいサポート運動について(長野県ホームページ)
https://www.pref.nagano.lg.jp/shogai-shien/kenko/shogai/aisupport/aisupport.html
◇障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり
◇ 第2部の講師、長野県社会福祉協議会の川崎昭仁さんは、生い立ちとミュージシャンとしての人生を2021年東京五輪パラリンピック開会式で布袋寅泰さんと共演した時のエピソードを交えながらお話してくださいました。締めの言葉「障害をみるより人としてみてほしい」はロックギターの演奏とともに川崎さんの魅力が詰まったメッセージでした。
(講演内容)
1才で小児麻痺になったが普通学級で学び、いじめられた思いは無かった。しかし、3年生の時に大人になっても治らないと分かったショックで、人の視線が嫌になり学校へ行かなくなった。ある日、父親が誕生日プレゼントのナイフを、これで自分の足を切りとるのか、それとも使いこなせばカッコ良くないかと渡してくれた。ひたすらえんぴつを削り、上手に削れるようなったので友達や先生に見せたくなり、行かなくなった学校に行って見せたところ先生に褒められ自信がついた。
音楽が好き、ロックがすきで高校卒業後上京し、学校へも行き音楽活動をした。車いすのギタリストでオファーが来たが、それが嫌で当初は断っていた。コンテストでベストギタリスト賞を受賞したものの、障がいという視点が加わっての受賞と思い素直に喜べなかった。その胸の内を審査員に伝えると「それは他のギタリストの人たちに失礼なことだ。全ての人の中で一番うまかったから選んだ」と一括され、自分を認めることができた。それ以来、車いすのギタリストのこだわりは無くなった。みなさんが上手いと思って拍手してくれること、それが一番。
自分にとって神様である布袋寅泰とパラリンピックの開会式で一緒に演奏するという感動的なことに遭遇した。そこで学んだのが、いろんな人がいろんな役割をこなして、みんなが協力して一つのことをやっていくことだった。それが当たり前だが、今や理想的なことである。
「障害」という漢字については、自分はその漢字に負けずに頑張ってきたので漢字であろうとひらがなであろうとこだわってはいない。
障がいについては、地域で支え合うことが大事。横断歩道で一時停止するのが長野県は全国一、そういった人に優しくしたことが、自分に返ってくる。障がい者だけでなく、人に優しい人になる。
障がいをみるよりも、その人を見る。その人にはそれぞれの価値がある。確かに「障がいがあってもやなヤツはいる」というのが自分の正直なところで否定しない。そういう人とは距離を置く(笑)
アンコールに応えWBCでも流れていたキルビルのテーマソングをかっこよく演奏。盛り上がりました。
(取材後記)
主催者の代表土屋八千子さんと上野美幸さんは、昨年11月に開催したカフェさくさぽ「障がいってなんだろう?~伝えたい、わたしたちのこと~」で企画・協力をしていただいた。その時の経験が今回の企画を考えるきっかけになったという。おふたりの勇気ある行動と周りの方々の協力で実現した。頂いたあいサポーターのバッチに恥ずかしくない行動をしようと改めて思う。