2月27日に突如発表された小中高校・特別支援学校の全国一斉休校。その時、そのニュースをどう受け止めたのか―。
「お子さんを預ける場所がなく困っているご家庭がありましたら、わが家(柏屋旅館)で日中を過ごしていただけるかもしれません」
2月末にそんなメッセージを発信したのは、佐久市中込商店街にある柏屋旅館の主人、柳澤洋介さん。翌週から受入れを開始し、45畳の大広間で子どもに日中過ごしてもらい、お昼ごはんも提供した。
柳澤さんをゲストに迎え、4月26日に「新型コロナウイルスによる気づき~居場所とは~」をテーマにオンラインイベントが開催された。佐久市市民活動センター(通称さくさぽ)では、協働につながる対話の場として「カフェさくさぽ」と題したイベントを定期開催してきたが、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中、今回初のオンライン開催となった。
柳澤さんは当時の心境を振り返り、「急に休校が決まって、3月2日から休みです、と。週明けからの子どもの行き先を決めないといけない。看護師さんや介護などシフトで仕事をしている人は急に休めない。うちの子も、僕が仕事しているから1人で過ごしてもらうしかない。何人か来ることによって一緒に遊べたらいいんじゃないかな、と思いました」と、語った。
子どもの受け入れをやってみて感じたことは? という問いに対しては、「いざ急に休校となって受け入れを始めたけど、周りの人に(柏屋旅館が)そういう場所だとも思われていないし、面識のない人も多い。休校になる前から、うちが『誰でも自由に来ていい場所ですよ』と発信できていたら、もっと問合せが増えたかもしれない。必要な方にも届いたかもしれない」、「普段から関係性ができていて、安心して子ども預けられる場所が地域の中でいろんなところに増えていくといい」と結んだ。
Facebookの動画配信で開催されたイベントは、途中電話によるゲストトークや視聴者の質問にリアルタイムで答えながら進行。参加者からは「(新型コロナは)学校や地域の体制、家庭教育まで、いろんなことを見直していける機会かもしれません」という声や、子どもを持つ親から「子どもの体調変化って自分の働き方へのメッセージなことも多い気がするので、病児・病後児保育の利用と合わせながら地域全体で取り組めるといい」という感想などが寄せられた。
動画はさくさぽFacebookページから視聴可能。