さくさぽ

人材シェアで「農業に新たな価値を」~カフェさくさぽ開催レポート~

農業人材の高齢化に伴う耕作放棄地の増加。10年後の農業は、どうなっているだろう?

「10年後の佐久を考える:シェアグリで農業の人手不足を解消!」をテーマに、6月20日にオンラインイベント「カフェさくさぽ」が開催された。「カフェさくさぽ」は、佐久市市民活動サポートセンターが主催し、住みやすい地域づくりのために市民団体や企業、個人など多様な人たちが出会いうことで「協働につながる対話の場」として毎回テーマに関係する話題提供者をゲストに迎え定期開催している。

農業で新たな価値を創り出す人になりたい

今回のゲストは、株式会社シェアグリ代表取締役の井出飛悠人(いでひゆと)さん。1996年生まれの井出さんは現在23歳。実家が150年続く種苗会社で、小さい頃から農業が衰退していく様子を身近に感じ、「農業で新たな価値を創り出す人になりたい」と、大学在学中の2018年に株式会社シェアグリを創業。農繁期にあわせて国が定める在留資格である特定技能をもつ外国人材を派遣する事業を行っている。

ゲストの井出飛悠人さん

最近では新型コロナウイルス感染症の流行を受け、外国人材が来日できなくなり人手不足となった農家に、休業となった観光業から約3千人の人材マッチングを人材派遣会社と連携し行った。

「派遣した3千人の中の数人でも、農業に関心がある人がもう少し携わってみたいと感じて、農業に残ってくれるといい」と井出さんは話す。「多業界の人材シェアが進んでいくと、今までのように1人が1つの仕事だけをするのではなく、1人がいろんな仕事をするようになる。農業もその選択肢のひとつとしてあれば」と語った。

特定技能人材を派遣することで人材不足の課題解決を目指す

農を切り口に関係人口を増やす

イベントは佐久市市民活動サポートセンター・センター長の山室秀俊とのクロストークで進行。長野市飯綱高原で遊休農地の活用や農業体験を行うNPO法人「飯綱高原よっこらしょ」の活動の様子も紹介された。

山室は2017年に佐久市が策定した「第2次佐久市農業振興ビジョン」に触れ、「佐久市では体験交流事業を実施する団体数を2016年までに50団体に増やすという目標を掲げていたが、実際は6団体に留まった。農を切り口に関係人口を増やしていくことなど、佐久は東京にも近く取り組みやすい場所にあるので、ポテンシャルは高い。井出さんのような若い人に刺激を受けて、もっとたくさんの人が取り組んでもらえれば」と話した。

飯綱高原よっこらしょの活動の様子

いろんな人たちが農業に関わる環境を

「10年後どんな未来を描くか?」という質問に対して、井出さんは「ただ佐久に住んでいるだけ、東京に住んでいるだけ、ではなく、より人が柔軟に動いていかれるような社会になっていくと思う。耕作放棄地の活用も含め、いろんな人たちが農業に関わる環境を佐久でつくれるといい」と結んだ。

10年後の農業がどのような姿になっていくだろうか? 井出さんの挑戦は、きっと佐久市などの東信地方に留まらず、幅広い地域でポジティブな影響を与えていくだろう。

新型コロナウイルス感染症への警戒が続く中、登壇者はオンライン会議システムZoomでつなぎ、それをFacebookで一般に向けてライブ配信する形で開催された。
ゲストの井出さんは佐久市臼田から、センター長山室は長野市飯綱高原から、進行役の大井はさくさぽからの参加。

動画はさくさぽFacebookイベントページから視聴可能。

域課題とNPOをつなぐポータルサイト「ナガクル」より転載)


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